同書によると、子どもの成長には、多種多様な「経路」が影響を与えていると
考えられているとあります。
特に、所得の影響(所得効果)は、アメリカの研究では検証されているようですが、
その他にも、「栄養」、「家庭環境」、「親のストレス」、「学習資源の不足」、
「住居の問題」、「親の就労状況」など、いくつかの「経路」が複雑に絡み合って
子どもの成長に影響を与えるというのが通説のようです。
なるほど、そうだよな、と思った瞬間、ふと凍りつくような感覚に襲われました。
ここに挙げられている子どもの成長に影響を与える「経路」は、
ほぼ全て避難所で生活を送る子どもたちが曝されているリスクとオーバーラップ
するのではないか。
避難所生活者の相当の割合は仕事を失っている。
避難所の中は集中して学習できる環境にない。
塾や家庭教師などの教育投資を行なえる状況でもない。
ストレスで子どもに対して十分なケアをできない親もいるだろうし、
場合によっては栄養も偏っているかもしれない。
改めて、避難所生活というある種不可避の出来事が
子どもの成長に与える影響の大きさを突きつけられたような気がします。
同時に、そういったリスクを最小限にとどめるためにアスイクの活動が
どれだけ重要かを再認識させられるのです。
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